天空戦記
「ちっ!逃したか」
「封魔!」
その時声がして、自分よりも年上の青年が現れる。
青年はどこか封魔に似ていた。
「・・・・・・兄上」
その青年に向かって、封魔が言う。
「遅いからな。様子を見に来た。その子で最後か」
「ああ。・・・・・・厄介な奴がいて、少し手こずった」
「お前が?珍しいな。まぁ、いい。とにかく、戻るぞ」
「ちょっと、待ってください!」
「ん?」
神蘭が上げた声に青年が振り返る。
「さっき言ってた私が最後っていうのは?」
「ああ。それなら、君以外の訓練生達は既に軍が保護したからってことだよ」
そう言って、青年は優しく笑った。