天空戦記
「神蘭!!」
その時、聞こえてきた声に神蘭はほっと息をついた。
振り返ると、武器を手に此方へ来る父の姿が見える。
「お前達、何者だ!?此処に何しに来た!?」
神蘭を背に隠した父が問い掛ける。
その時、仮面で顔を隠した者の一人がくくっと笑った。
そして、他の者達を下げるような仕草をして一歩前に出る。
「・・・これはこれは、部隊長。こんばんは」
「!!」
「その声っ!!」
聞こえてきた声は、神蘭も知っているものだった。
「お前、まさか、月夜か!?」
「・・・正解」
信じられないと目を見開いた神蘭と父の前で、仮面が外される。
仮面を外した月夜は冷たい瞳をしていて、そのままニヤリと笑うと剣を引き抜いた。
「さぁ、一戦お相手願えますか、部隊長。最初で最後の殺しあいを始めましょう」
「私に勝てると?」
「勝てるから言ってるんです。俺の本当の実力、見せてあげますよ」
「面白い。なら、私はこんなことをした部下の再教育をしてやろう」
言ったかと思うと二人の姿は消え、中間辺りで二本の剣が激しく切り結んだ。