天空戦記
「神蘭!」
封魔と青年についていくとそう声がして、鈴麗が駆け寄ってくる。
「よかった。神蘭も無事だったんだね」
「鈴麗こそ、よかった」
逃げている内にばらばらになってしまい気にしていたが、怪我もない様子にほっと息をつく。
辺りを見回せば、彼女以外にも大勢の訓練生達の姿があり、それ以外に軍人達の姿も見えた。
(皆、軍に助けられたんだ)
そう思っていると、不意にそれまで笑っていた鈴麗の表情が暗くなった。
「でも、私達これからどうなっちゃうんだろ?」
そう言った鈴麗の不安そうな声に神蘭もハッとする。
訓練生達は無事でも、建物の被害は大きく、教官では犠牲者も出ているのだ。
それを思うと、これからどうなるのか、どうすればいいのかわからない。
そんな時、ふと周りのざわめきが大きくなる。
それに視線を動かすと、神界軍の総長と副総長が封魔と彼が兄と呼んだ青年以外の闘神達を連れ、此方へ歩いてくるのが見えた。