天空戦記



「……」


総長に言われ、軍の待機場所まで来たものの、空気は重い。


「……なぁ、俺達どうなるんだよ?闘神だってやられたっていうのに、今攻めて来られたら俺達だけでどうしろっていうんだよ!」

「どうしろって総長のあの言葉、もし奴等が来たら戦って死ねってことだろ」

「……俺は嫌だ!まだ死にたくない!」

「俺だって!」

「くそっ、こんな勝ち目のない戦い、誰だって嫌に決まってる!」


一人が言い出したことから、次々と声が上がる。

その一方で闘神達を本当に慕っていたのだろう者達はいまだに失意の底にいるようだった。


「それなら、さっさと軍を去れ。これからの戦闘に、お前達のような腑抜けは必要ない」


その時そんな声が聞こえてきて、神蘭達が視線を向けると、そこには感情を押し殺したような目をした封魔が立っていた。
< 58 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop