天空戦記
「寝ちゃってる?」
「まぁ、待ちくたびれたってのもあるだろうけど」
「思いっきり熟睡してないか、これ」
神蘭達が近くに来ても起きる気配のない封魔に、鈴麗、白夜、白鬼が言う。
その時、頭上から声が聞こえてきた。
「今は寝かせてあげてください。怪我もまだ癒えていないのに、殆ど休んでないんです」
「あなたは?」
聞こえてきた声に見上げれば、木の枝に一人の少女が座り、此方を見下ろしていた。
「私は楓。封魔様直属の部下です」
「それで、殆ど休んでないっていうのは?」
「あなた達は知らないでしょうけど、この数日、魔神族の襲撃がなかった訳じゃないんです。寧ろ、毎日のようにあったくらいです。それを封魔様が一人で対処していましたから」
そう言って、楓は枝から飛び降り、神蘭達の近くに着地した。