天空戦記
「お前達……!」
気付いた封魔が視線を向けてくるが、新手が現れたことですぐに逸らされる。
「ちっ、さっきから次から次へと……!」
「待って!……此処は任せて!」
構え直す封魔に叫んでから、神蘭は鈴麗達を見る。
「あとは私達がやろう。このままこの襲撃の主犯格の思い通りにさせないためにも」
「どういうことだ?」
「きっと相手は封魔の状態を知ってる。だから、雑兵を数ぶつけて力を削ろうとしてるんだよ」
「……自分を有利にするためにか?」
「うん。別に私だって、今の私達が主犯格をどうにかしようと思って来た訳じゃないよ」
「俺達が雑兵の相手をして、彼奴を休ませるつもりだったんだろ?そうなると、いつ主犯格が出てくるかだが、それを気にしていたらきりがないか」
「そうね。その時はその時よ」
「……行くよ」
神蘭はそう言うと、地を蹴った。