天空戦記

「ありがとうございます。・・・これで、もうお前は大丈夫だな・・・、神蘭」

「父様!」

「お前は、軍に入ることはない。・・・ただ、母さんを支えて、幸せに暮らしてほしい。それが・・・私の、最後の願いだ・・・」


そこまで言った父から力が抜けていくのがわかり、ゆっくりと目が閉じていく。


「父様?・・・父様!!」


解離の始まるその身体を慌てて抱き締める。

最後に見た表情は満足そうな安心したような笑みを浮かべていて、神蘭の腕の中で消えていく。


「いやあああ!!」


腕の中で父が消え、神蘭はただ声を上げて泣いた。
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