双子兄貴の恋愛事情。(仮)
「………え…?…素直じゃ…ない?」
私の言葉に動揺するミズキ。
そして…私を睨みつけるヒカレ。
「おめーは何目線で言ってんだよ?…彼氏もできたことないくせに」
「女目線!…私は小さい頃から恋愛マンガを読んできたし、アマリちゃんの恋バナ聞いて育ったの!」
「ちょ…待って!…ニジは知ってるの…?俺の…好きな人…」
あんまり物事に動じないはずのミズキが、めずらしく焦ってる…。
勢いで言ってしまったが…、実はミズキの恋の相手は、ある物を見て知ってしまったんだ…。
「ミズキ…ごめん。…机の引き出しの写真…見ちゃったんだ…」
家のミズキの机の引き出しに、大事そうにしまわれた一枚の写真…。
それはミズキと女子が、二人で写っている写真だった。
「…写真の表情見て、好きな人かなって思ったから……この二ヶ月いろいろ様子見て…確信した」
「うわ…マジかっ…」
ミズキは前髪を手でグシャッとする。
そしてその場に座り込んだ。
「え?写真?…富竹のこと…まだ好きなん?」
驚いた様子のヒカレは、沈んだミズキをじっと見つめた。