俺のそばから離れるな‼︎
「これで俺のことを思い出すだろ?」
「はい?何が?」
意味がわからないんですけど。
「だからー。この跡を見る度に、さくらはあいつじゃなくて俺を思い出すだろって言ってんだよ」
「へっ……?」
赤い跡を見る度に奏を……?
「思い出さねーって言うなら、もうちょっと舐めて嫌でも思い出すようにしてやるけど」
自分の唇をペロリと舐めて、妖しげにクスリと笑う奏。
その仕草から目が離せなくてドキッとする。
「け、結構です」
バ、バカじゃないの。
っていうか、考えることが幼稚すぎてついていけない。
でも、だけど。
ドキドキしている私はもっとバカかな。
悔しいけど、私はまんまと奴の策略にハマってしまったわけで。
この赤い跡を見る度に、当分は奏にされたことを思い出しちゃうんだろうな。