俺のそばから離れるな‼︎
私は窓まで引き返して、奏が出て行ったあとに鍵をかけた。
そして、春らしい可愛いパンプスを履いて寮を出る。
待ち合わせは校門か。
寮から外に出た途端、春の暖かいポカポカした陽射しが全身を包んだ。
悔しいけど、絶好のお出かけ日和だ。
寮の玄関はオートロックになっていて。
そこを抜けて少し歩くと校門はすぐに見えて来る。
奏はすでに校門前に立っていた。
「えっ……!?」
な、なにあれ。
校門前に停まっている車を見て目を疑う。
それはどう見ても普通の車じゃなくて。
高級感溢れる黒の綺麗な外観に、見たこともないくらいの長い車体。
おまけに窓は全部スモークガラスになっていて、中が見えない。
明らかに怪しいんですけど。