俺のそばから離れるな‼︎
っていうか、これが俗に言うリムジンってやつ?
私が歩いて来たのを見て、奏が車のドアを開けて待ち構える。
目を見開きながら近寄る私に、奏は余裕しゃくしゃくで微笑んでいた。
な、なんなの。
この車は。
っていうか、奏っていったい何者!?
俺に任せろってこういうことだったんだ?
それにしてもリムジンって……。
初めて見たけど、本当にすごいや。
「乗れよ」
「…………」
ニッコリ笑いながら言う奏に疑いの眼差しを向ける。
「なんだよ?」
「変なところに連れてく気じゃないよね?」
「どこだよ、変なとこって」
クククッと奏が噴き出す。
「そ、それはわかんないけど……っ」
「連れてくわけねーだろ。変な妄想してんじゃねーよ」
優しく笑って奏はポンッと私の頭を小突いた。
ドキンと高鳴る鼓動。
一瞬で顔が熱くなるのを感じた。