俺のそばから離れるな‼︎
私のいる世界
気持ちを落ち着かせ、カルボナーラに手を付けた。
「俺もさくらに食わせて欲しいんだけど」
「ムリに決まってるでしょ。欲しいなら自分で取れば?」
よくそんなことが言えるよね。
まったく。
不服そうにする奏をムシしてカルボナーラを食べた。
結局奏は私のカルボナーラを自分で取って食べていたけど、最後まで食べさせて欲しそうだった。
捨てられた子犬のような目で見られた時は少しだけ心が揺れたけど、ダマされちゃいけないと思って頑張ったんだ。
そして私たちはお店を出た。
さっきの子たちが名残り惜しそうにこっちを見て来たけど、奏はスルーして行ってしまった。
なんだかかわいそうな気がして、私は少しだけニコッと笑って軽く手を振ってその場を去った。