俺のそばから離れるな‼︎


思い出すのは過去の後悔ばかり。


なんであの時……って、そればっかり。


あの時熱さえ出てなかったら、私は今頃彼らと同じところにいたはず。



「さくら?」



「え?あ」



奏に顔を覗き込まれてハッとする。


私ったら、ボーッとしちゃってた。



「ごめん。どこ行こっか?」



「何かあったのか?」



「え?ううん、別にないよ」



「ふーん。じゃあカラオケにでも行くか?」



「うん」



駅ビルを出て繁華街の中を歩く。


辿り着いた先は、中学の頃よく行ってたカラオケ屋さん。



「懐かしいなー、ここ」



この繁華街でよくデートしたっけ。


プリクラ撮ったり、ファーストフード店に行ったり、カラオケしたり。


6人でグループデートとかもして楽しかったな。



「よく遊んだんだ?」



「うん。家からも近いから、夏休みとかはみんなで集まって毎日のように遊んだよ」



「ふーん。みんなって?」



急に奏の声が低くなった気がするのは気のせいだろうか。


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