俺のそばから離れるな‼︎
愛佳ちゃんと別れて、私は日課となった図書室へ足を運ぶ。
今日からまた頑張るって決めたんだ。
トップを取り続けるって決めたし、奏には負けられない。
ーーガラッ
図書室のドアを開けると、埃っぽい室内が姿を見せた。
朝の光に反射して、埃がたくさん舞っているのがわかる。
よしっ、頑張ろう。
そう思って参考書を選んで席に着いた。
ーーキーンコーン
ハッ
や、やばっ。
集中しすぎてたら、いつの間にか予鈴が!
私はササッと荷物をまとめると、参考書を元の場所に戻して図書室を出た。
そして、猛ダッシュで教室に向かう。
職員室の前を通った時だった。
「桐山〜!」
化学の先生に呼び止められて足を止める。
「な、なんでしょうか?」
急いでるんですが!
あ、廊下を走るなって注意されるとか?
でも、この学園はそんな細かいことは気にしないはず。
そんなことで怒ってたらキリがないから、先生も面倒くさがってあんまり怒らないんだよね。
「ちょうど良かった。紹介するよ。今日から登校することになった漆原 梢(うるしはら こずえ)さんだ。漆原が1年の3人目の女子だから、仲良くしてやってくれ」
先生がそう言うと、その後ろから同じ制服を着た女子が遠慮がちに姿を見せた。