俺のそばから離れるな‼︎
何となく不機嫌なまま黒いオーラを放つ奏に、なんて声をかけていいのかわからない。
購買に行くことなんてすっかり忘れているのか、奏は私を食堂に連れて来た。
そして乱雑にご飯やおかずをトレイに乗せて行くと、空いていた席に着いた。
私も同じようにご飯を取り、奏の向かい側に座る。
「あいつとはあんまり仲良くすんなよ」
「え?」
「あいつ、ああ見えて結構腹黒いから何するかわかんねーし」
ご飯を頬張りながら、奏がため息を吐いた。
か弱く見えたのに、腹黒いの?
本当に?
でも……さっきものすごい形相で私を睨んでたもんなぁ。
あながち間違っていないのかも。
「学校の中でもプライベートでも、常に俺のそばにいろよ」
真顔で見つめられ、鼓動がドキンと跳ねる。