俺のそばから離れるな‼︎


何となく不機嫌なまま黒いオーラを放つ奏に、なんて声をかけていいのかわからない。



購買に行くことなんてすっかり忘れているのか、奏は私を食堂に連れて来た。


そして乱雑にご飯やおかずをトレイに乗せて行くと、空いていた席に着いた。


私も同じようにご飯を取り、奏の向かい側に座る。



「あいつとはあんまり仲良くすんなよ」



「え?」



「あいつ、ああ見えて結構腹黒いから何するかわかんねーし」



ご飯を頬張りながら、奏がため息を吐いた。


か弱く見えたのに、腹黒いの?


本当に?


でも……さっきものすごい形相で私を睨んでたもんなぁ。


あながち間違っていないのかも。



「学校の中でもプライベートでも、常に俺のそばにいろよ」



真顔で見つめられ、鼓動がドキンと跳ねる。


< 197 / 272 >

この作品をシェア

pagetop