俺のそばから離れるな‼︎
ーーズキン
そう考えると、胸が苦しくなった。
私の知らない奏を、たくさん知ってるってことだよね。
思えば、私って奏のことを何も知らないや。
「変な妄想すんなよ?付き合ってたとか、そういうんじゃねーから。あいつはただの顔見知りなだけだから」
「で、でも将来一緒になる仲って」
漆原さんは確かにそう言ってた。
「それはまぁ……あいつが勝手に言ってるだけだろ」
「?」
それ以上何も聞くなというように、奏は私から目をそらしてご飯を口にかき込んだ。