俺のそばから離れるな‼︎
それに私たちって付き合ってんの……?
よく考えると、言われてないような気がするんだよね。
まぁ、今さらなんだけど。
「優しくするっつってんのに?」
顔を背けて拒否する私を、奏がスネたような瞳で見下ろす。
「そ、それでもダメッ」
「ちっ。本気で俺のことが好きなのかよ?」
「……っ」
この状況で言わせないでよ。
それに、よくそんな恥ずかしいことをサラリと聞けるよね。
すごいというか、奏はいつも直球だ。
自分の中の疑問やモヤモヤを隠すことなく晒して、私にまっすぐぶつけて来る。
欲望に正直というか、やっぱり俺様でワガママなところは健在だし。
相変わらず私は振り回されてばっかり。
それもまぁ、嫌とは思わないんだから成長したよね。