俺のそばから離れるな‼︎
「ど、どうしよう……部屋に連れ込んでるってバレちゃった」
即退学という単語が頭の中を駆け巡る。
漆原さんのことだもん。
きっとチクるに決まってる。
顔からサーッと血の気が引いて行く。
せっかく夢を諦めないって決めたのに、こんなところで終わっちゃうの?
「私も奏も……きっと退学させられるよ」
力なくその場に座り込んだ私を、奏の腕が支えてくれた。
「大丈夫だって。俺が絶対にそんなことさせねーから。さくらは何も心配するな」
「そ、そんなこと言われたって」
奏はいつもそう言うけど、今回ばかりはさすがにムリだよ。
「大丈夫だから」
どこから出て来るのか、奏は自信満々に笑っている。
何を根拠にそう言えるの?
その日の夜、気になって気になってなかなか寝付けなかった。