俺のそばから離れるな‼︎
「先に行って頭冷やしとく」
ようやくゆっくり起き上がった私に、すっかり準備を終えた奏が靴を持って窓から出て行こうとする。
「あ……うん。ごめんね」
「いや、別に」
なんだかぎこちない空気が流れて、目を合わせられなかった。
気まずくなりたくなんかないのに。
奏は慣れたように窓から出ると、校舎の方に向かって駆けて行った。
はぁ。
問題は山積みだ。
奏はああ言ってたけど、やっぱり私は気にしてしまう。
部屋を出ると、なぜか漆原さんが目の前に立っていた。
腕組みをして、昨日同様偉そうな態度。
「な、なに?」
勝ち誇ったような目を向けて来る彼女に、私は内心ビクビク。
きっと、奏を連れ込んでた件で何か言われるんだ。