俺のそばから離れるな‼︎


「安心してよ。あたし、チクッたりするつもりはないから。少なくとも学園にはね」



「え?」



ど、どういう意味?


意味深な言い方に、良い意味で捉えていいのか迷う。



「桐山さんって、なーんにも知らないんだね」



クスクスと私をバカにしたようにあざ笑う漆原さん。


なんだか腹が立った。



「なーんにも知らない桐山さんに教えてあげる。カナ君は、桐山さんが手を出していい相手なんかじゃないんだよ?」



「どういうこと?」



そりゃトップモデルで人気があった奏と私じゃ、釣り合わないかもしれないけど。



「まぁ、その内わかるんじゃない?」



何かを企んでいそうな漆原さんに不安が押し寄せる。



なに?


その内わかるって。


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