俺のそばから離れるな‼︎
私は奏の言葉に大きく頷いた。
ずっとずっと、奏のそばにいたい。
私を必要としてくれているなら、それに応えたい。
だって、好きだから。
大好きだから。
「お前たちの気持ちはよくわかった。でもな、俺にはわかる。それぞれ夢を追う者同士が一緒になっても、結局はうまくいかなくなるって。すれ違いの生活が続いて、気付くとお互いに冷めてしまってるんだよ」
「俺とさくらは大丈夫だ」
おじさんの言葉に、奏が迷うことなく返事をする。
「そりゃ今はそうだろうな。大切なのはこの先だ」
「会えなくても、すれ違っても、お互いに気持ちが変わらないと言い切れるのか?」
「だからさっきから何回も言ってんだろ?俺の気持ちは簡単には変わんねーって」
私の手に重なっている奏の手に力が加わる。
私もギュッと握り返した。