俺のそばから離れるな‼︎
これからどうするの?
そんな無神経なことは聞けなかった。
きっとおじさんの気持ちは変わらないだろう。
初対面の私がそう感じたんだから、奏は私以上にそれをわかっているはず。
どうすることも出来ない現実に、やるせなさばかりが募る。
このまま……会えなくなっちゃうの?
そんなの、やだよ。
ブワッと涙が溢れて頬に流れた。
「泣くなよ。さくらに泣かれると……ツラい」
「ご、ごめっ……っ」
私ったら。
奏もツラいのに。
ギュッと抱き締められて、私も抵抗することなく奏の背中に腕を回した。
「奏……っ好きだよ」
胸に顔を埋めて、小さく囁く。
声が震えているのは、きっと逆らえないってわかっているから。
「俺も」
「離れたくないよ」
「……俺も」
ギュッとギューッと、奏の体を抱き締めた。