俺のそばから離れるな‼︎


「先に行くからねっ!」



スヤスヤと眠る桐生奏に声をかけ、スクールバッグを手に取る。


朝ご飯を静かにゆっくり食べたいから、誰よりも早く寮を出て食堂へ向かうんだ。



食堂は7時から開いていて、8時15分まで入れるようになっている。


ただいまの時刻は7時過ぎ。


朝のラッシュは8時前だと、オレンジが言っていた。


朝、昼、夜の中で、誰にも邪魔されずにゆっくり食べれるのは朝ご飯だけ。


昼と夜はまるで戦争。



「おはよう〜」



部屋を出ると、ちょうど同じタイミングで隣の女の子が出て来たところだった。


朝からバッチリメイクを決めて、髪の毛もくるくる綺麗に巻いている。


金髪でスゴくハデだけど、顔を合わせたらニコッと微笑んでくれたり律儀に挨拶をしてくれる彼女。


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