俺のそばから離れるな‼︎


名前は太田 愛佳(おおた あいか)ちゃん。


この学園に3人いるという女子の中のひとり。



「さくちゃんも今からご飯〜?朝は早めに行くのがベストだよね〜」



キャハッと飛びっきりの笑顔を見せる愛佳ちゃん。


ぶりっ子をしているわけではなく、これが愛佳ちゃんのもともとの性格。


見た目は正反対な私たちだけど、なぜか気が合って下の名前で呼び合う仲になった。


この学園で唯一普通に話せるのは、もしかすると愛佳ちゃんだけかも。



「だね。昼と夜は戦争だもん」



「確かに〜!愛佳も騒がしいのは嫌いなんだ〜」



だよねーと2人で他愛ない会話をしつつ食堂へ向かう。


食堂は、寮の中から2階に上がったすぐ突き当たりにある。


食堂を挟んだ向かい側に男子寮があり、女子寮の入口にだけ監視カメラと指紋認証システムが完備されている。


ちなみに……男女間の寮への行き来は禁止。


連れ込んでいるのがバレたら、即効で退学処分なんだとか。



それにしても、監視カメラはアリだとして。


指紋認証システムまで完備しているとはね。


最初はビックリしたけど、今はもう慣れたものだ。


手をかざすと、赤いランプが緑に変わって食堂へ続くドアが開いた。


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