俺のそばから離れるな‼︎
season*2
諦めるなよ
それから、さらに1週間が経った。
4月も中旬に入って、満開に咲いてた桜は完全に姿を消した。
ポカポカした陽気が教室を包んで、ただでさえまともに受けない授業をみんなサボリ気味。
私と奴の関係はというとーー。
「さくらー、帰ろうぜ」
「…………」
スルーしているにも関わらず、奴はお構いなしにやって来てカバンをドンッと机の上に置く。
ヘラッと笑う顔は、悔しいけどかなりカッコ良い。
緩く締められたネクタイと腰で履いたズボンに、耳や腕に見えるジャラジャラしたアクセ類。
ハチミツ色の髪が風に吹かれて揺れる。
「ほら、早くしろよ」
「図書室に寄って帰るから」
「は?今日も?」
私たちの関係は何も変わっていないどころか、あの日から確実に悪化している。