俺のそばから離れるな‼︎
なんでだろう。
本当に不思議。
言ったあと、心がかなり軽くなった。
例えるなら、胸につっかえてた重いものがスッと消えて、通りが良くなったって感じ。
「さくらは、受験に失敗したくらいで簡単に夢を諦めんのかよ?」
えっ……!?
ーードクッ
胸の奥深くに何かが突き刺さった。
だってまさか、彼からこんな言葉が出るとは思ってもみなかったんだもん。
適当なくらい頭のネジが緩んでる奴に、まともなことを言われると調子が狂う。
まっすぐ射抜くようなその瞳は、簡単に夢を諦めた私を責めているように見えた。
「だ、だって……」
ごにょごにょと口ごもる。
いつもは強気で言えるのに、あまりにも正論すぎて返す言葉が見つからない。
「少なくとも、俺は諦めて欲しくねーと思ってるから」
「…………」
何も言えなかった。
だって、応援してくれるなんて思ってもみないじゃない。