俺のそばから離れるな‼︎


あー、バカバカしい。


やめよやめよ。


もう何も考えたくないよ。



ベッドに入って頭から布団をかぶった。



目を閉じて寝る体勢に入っても、胸に何かがつっかえたような感覚がしてモヤモヤした。


眠れないし、さっきの奏の言葉が耳から離れない。


あーもー!


なに影響されてんのよっ!!



ーーギシッ



スプリングが軋む音がして、ベッドに重みが加わった。



「ちょ、なに入って来てんのよ」



「いいだろ。一緒に寝よーぜ」



奏がガバッと布団をめくって、私の隣に寝ようとして来る。



「ムリムリーッ!絶対やだ」



「何もしねーから」



「そういう問題じゃないよ!」



「ケチケチすんなって。俺と寝たいって女は山ほどいるんだから、ありがたく思えよ」



「はぁ……!?」



ありえない。


正気?



奏は無理やりベッドに潜り込み、私の隣に寝転んだ。


奏は一度こうだと決めたら絶対に譲らない。


きっともう、私が何を言ってもムダなんだろう。



「いい?そっから一切動かずに寝てよね!」



「はぁ?狭いんだから、密着しないと寝れねーだろうが」



「ちょっ……っ」



反対を向いて背を向ける私のお腹部分に、奏の腕が回される。


そして、思いっきり引き寄せられた。


私の背中にピタッと密着するように寄り添う、奏の男らしい体。



な、なんでドキドキしてんのよ。


ありえないでしょ。


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