俺のそばから離れるな‼︎
「聞いた私がバカだったよ。おやすみっ」
「は?もう寝んの?もっと話そうぜ」
「これ以上話すことは何もないでしょ」
「あるだろ!俺らの将来のこととか」
「もう!暑苦しいから寄らないでよ」
壁側に向かって寝てるからこれ以上奥へは行けないけど、少しだけ奥へ体をズラした。
「将来のことを話し合うのは大切なことだろ」
「私と奏は将来他人だから、話すことは何もない!以上、おやすみ」
「はぁ?他人ってなんだよ、他人って」
「だって、本当のことじゃん」
「じゃあ、さくらはどんな男がタイプなんだよ?」
「え?」
どんな男って……。
少し考えたあと、私は口を開いた。
「誰にでも優しくて、すぐに怒ったりしなくて、いつもニコニコしてる人。ワガママでチャラくて俺様な人はムリかなー」
私はあえて奏とは正反対なタイプを口にする。
「あ、見た目は本間君みたいに爽やかで知的な感じがいいなー。とにかく、黒ぶちのオシャレメガネがよく似合う人!」
これで諦めてくれる?
黒ぶちのオシャレメガネなんて、奏には絶対似合いっこないしね。