深愛なる君へ、この愛を捧げます。




「あ、ママ!ごはんは!?できたの!?」


「ううん、もうちょっとだよ。
ママ疲れちゃったから、お婆ちゃんに代わってもらったの」




私に気付いた日海がお義父さんの膝から降りて、私に抱きついてきた。




すると日海は私から勢いよく離れて、急に私の服のポケットを探り始めた。




「…日海?ポケットがどうしたの?」


「ママのポケットから音がしたの!あめだま入ってるの?」




…飴玉?
そんなものをポケットに入れた覚えはない。




なんだろうと思ってポケットを探ると、ポケットから四つ折りになった紙が出てきた。
これ、理人の部屋を掃除してたらタンスにぶつかって、上から落ちてきた紙。




中を見ようとしたらお義父さんがやってきたから、中を見ずにポケットに入れたんだった。




「あ、おてがみだ!だれからおてがみきたの!?」


「ちょっと、日海!?」




私が開く前に日海が私の手から紙を抜き取り、紙を開いた。
日海は紙に書かれているであろうことを目を追って読んでいるが、日海は3歳、字はまだ読めない。




「ママ、これよめない」




日海は眉間に皺を寄せて紙を私に渡してきた。
私は日海の表情に苦笑いして、紙に書かれていることを読んだ。




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