深愛なる君へ、この愛を捧げます。
「…っ!これは…」
紙に書かれていたことは箇条書きで場所しか書いてなかったけど、すぐにこれが意味することが分かった。
「…どうすべきか悩んでいるなら、日海と言ってきたらどうだ?
思い出に問いかけたら、もしかしたら答えを教えてくれるかもしれねぇよ」
お義父さんの声が聞こえ、顔を上げるとお義父さんはふっと笑っていた。
お義父さんにこの紙を見せたわけじゃないのに、お義父さんはこの紙の内容を知っているような言い方をしている。
するとお義父さんは恥ずかしそうに頬を赤くして、頭を掻いた。
「前に掃除した時にそれ見つけたんだけどよ、母ちゃんに慌てて呼ばれてそのままでいっちまってよ。
あとで渡そうと思ってたけど、年だから忘れちまって」
「…ぷっ!」
ぶれないお義父さんに、ついおかしくて吹き出して笑った。
私がなんで笑っているのか分からない、日海は首を傾げて私を見上げる。
一通り笑い終わると、私はしゃがんで日海に目線を合わせた。
「日海、明日はママと一日お出かけしよう」
「ママとお出かけ!?やった!!」
日海は飛び跳ねて喜び、勢いよく私に抱きついてきた。
自分はどうすればいいのか、どうすることが正解なのか分からなくなった。
でもこれだけはハッキリとした答えが、私の中にある。
いつまでもあなたを愛しているということ。
その答えがあれば、行き詰っても正解へと導いてくれる気がするの。