深愛なる君へ、この愛を捧げます。
日海は私の脚にしがみついてなかなか離れない。
それどころか。
「ママ!今日ね!今日ね、ゆいとくんとひなちゃんといっしょにね"ぷーりゅ"であそんだの!それでね…」
私の脚にしがみついたまま、キラキラした眼差しで今日の出来事を話し始める日海。
プールをぷーりゅって噛んでるし…
私は日海を脚から離して、目線を日海に合わせる。
「日海。その話はパパがいるところでゆっくり話すから、早くパパのところに行こ?」
小首を傾げて微笑むと、日海はしばらく考えてから「うん!パパにもおはなししゅる!」と言って鞄を走って取りに行った。
「にっちゃん!走らないよ!」と保育士さんに注意されても、日海は完全に自分の世界に入ってしまったため、私が代わりに謝った。
「日海、園でもあんな感じなんですよね?」
「…はい。でも一人で遊んでる子に声をかけたり、ケンカしてる子供達の間に入ったりといつも周りを見ていて、すごく助かってます」
日海はもうすぐ4歳になる子供とは思えないほど、周りのことをよく見てる。
私が火の消し忘れをした時も「ママ、あっついのついてるよ」って教えてくれたし。
特にそういう英才教育とかしてないのに、我ながら感心してしまう。
そんなことを思っていると、保育士さんが「でも…」と悲しそうに眉をハの字にして言葉を続けた。
「今日、ひなちゃんが『パパに高い高いしてもらった』って言った時、にっちゃんの表情が一瞬寂しそうに見えたんですよね…」