深愛なる君へ、この愛を捧げます。




それから相変わらずの親バカである私は、神社の前や神主さんと日海の写真を撮った。




神主さんは私と理人がよく来ていたため、私のことを知っていた。
つい話が弾んでお茶までいただいてしまった。




日海は眠いピークを過ぎたのか、次の目的地に向かうまでご機嫌だった。




最後に書かれていたのは『日海』。
場所の名前でもなく、我が子の名前だったけど、ここは日海にこの名前をつけるきっかけになった。




「日海、眠くない?疲れてない?」




ご機嫌で窓から外を見る日海に、運転しながら聞く。




「つかれてないよ!楽しいもん!」




即答だったことが嬉しかった。
私と理人の思いで巡りに日海を付き合わせてしまうのはどうなんだろう、と思うところもあったけど、日海の言葉に一安心。




そういえばと、根本的なことに疑問を持つ。




理人はどうして紙にこうやって思い出の場所を書いたんだろう。




思い出を振り返るため?
振り返るなら日記とか書けばいいのに。




こんな風に箇条書きに書いて何したかったんだろう。




なんでだろう。
と心の中で首を傾げ考えていると、最後の目的地に到着した。




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