深愛なる君へ、この愛を捧げます。




車を停めて、日海についているチャイルドシートを外してあげると、日海は自分で車のドアを開けて外に出た。




「あ、日海!気を付けて行くんだよ!?」


「はーい!」




いい返事をしたけど、その返事はもうだいぶ遠くから聞こえた。




鞄を持って車を降りると、日海はもう目的地で走り回っている。




「うみー!うみー!ママ!うみだよー!」


「そうだね、海だね」




日海はキャッキャッ言いながら海の波と戯れている。




もう夕方に近いからか、海にいる人はあまりいない。
周りの人は皆、帰る準備を始めている。




この海は神社の帰り道に通りかかるから、理人とよく帰りに寄っていった。




砂浜に座って話し込んだり、その砂で城を作ったり、理人に海水を思いっきり顔にかけられて怒ったこともあったな。




そういえばさっき神社で思い出していたあの時も、帰りに理人がここの海寄っていきたいって言うから、寄ったんだよね。




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