深愛なる君へ、この愛を捧げます。




…か、ぞく?




それはどういう意味なのか、すぐには理解できなかった。
いきなりのことで、頭がついていかなかった。




「……っ!」




でもその言葉の意味を理解した瞬間に、涙が溢れて止まらなかった。




理人は優しく微笑んで、私の左手をとった。




「これから何年先もずーっと俺と一緒にいて欲しい。
どんな時でもずーっと俺の隣を一緒に歩いて欲しい。
めちゃくちゃ幸せにする自信ないけど、絶対幸せにする。


…俺と、結婚してください」




左手の薬指に優しいキスが落とされた。
私は泣きすぎて声が出せず、でも何度もコクコク頷いた。




理人は苦笑いしながら、私の目に溜まった涙を親指で拭ってくれた。




「返事はここから欲しいんだけど?」




理人が触れたのは、私の唇。
私は理人の要望に答えるため、頑張って泣き止む。




化粧が落ちないように涙を拭い、鼻をすすりながら理人を見つめた。




「…よろしく、お願いします」




笑って返事をした瞬間、理人に思いっきり抱き締められた。




「よかった~…!」


「よ、よかった?」




素直に喜ぶのかなと思っていたのに聞こえてきた言葉は安心したようなもので、驚いて聞き返してしまった。




「だって断られたらとか考えたら不安になってさ。
あー、プロポーズってこんなに緊張するんだな。


でもさっき祈っておいてよかったー!『プロポーズ成功しますように』って」




少し体を離して、理人は私を見て照れ臭そうに笑った。




さっきあんなに念じるようにお祈りしてたのはこのことだったんだね。
あんなに願わなくても、私の答えはyesしかないのに。




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