深愛なる君へ、この愛を捧げます。
理人を見つめていると、理人が目を眩しそうに細めたのが分かった。
私は何だろうと思って後ろを振り返ると、海の向こう側には夕日が輝いて見えた。
夕日はもうすぐ海に沈みそうだった。
「…きれい…」
あまりの綺麗さに思わずふっと微笑み、風になびく髪を掻き分けることも忘れて夕日に見惚れていた。
すると横から伸びてきた理人の手が風になびく髪を掻き分け、頬に触れた。
驚いて理人の方を見ると、理人は夕日のせいか分からないけど頬を赤くして潤んだ瞳で私を見つめていた。
「…?理人?」
どうしたんだろうと思い首を傾げる。
理人は何も言わずに私の額に自身のをコツンと合わせた。
そして口癖のように言っていた言葉を口にした。
「ねぇ、今すごくキスしたいんだけど」
夕日に照らされた理人の顔が表情がやけに色っぽく見えた。
この言葉を言われたら、それを合図に私はいつも先に目を閉じる。
そして理人は私の返事を目で見て理解し、親指で私の唇をなぞってからキスをする。
プロポーズされた後のキスは何だかいつもとひと味違って、すごく幸せの味がした。