深愛なる君へ、この愛を捧げます。
理人は私のたった一人の旦那さんで、日海のたった一人のパパ。
でも交通事故に遭い、ずっと意識不明の状態が続いている。
理人が交通事故に遭った時、既に私のお腹には日海がいて、当時は臨月だった。
その日は丁度妊婦検診の日で、家に帰ってくると病院から電話がきて診察券を渡すのを忘れてしまったという。
『俺が取りに行ってくるから、お母さんは休んでて』
まだ産まれてないのに私のこと"お母さん"なんて呼んじゃって。
理人は病院に診察券を取りに行った帰りに事故に遭い、そのまま現在まで意識が戻らない。
理人が事故に遭ってすぐに破水して陣痛が始まって日海が産まれたから、理人はもう3年も目が覚めない。
日海の誕生日が過ぎれば、4年になる。
「さ、日海食べるよ?」
お義母さんが作ってくれたご飯をテーブルに広げ、ずっと理人を見ていた日海を呼ぶ。
日海はクルッと振り返り、私の隣にある椅子に座る。
「いただきます」
「いたらきます!」
2人で手を合わせ声を揃える。
そして理人を見ながら食べるような向きで、夕飯を食べる。