花吹雪




「蘭(Ran)ももう高校生になるのね。
 この前まで、こーんな小っちゃかったのに」


「お母さん、それ、受験の時も行ってたでしょ?」


「あら、そう?
 まぁいいじゃないの。自分の子供はいつまでたっても小さくてかわいいもんなんだから」


「はいはい。そんなもんなのね」


「そうよ~。
 お母さんも歳とっちゃったわね~。
 時が経つのが早く感じるのよ」


「まぁ、もうわたし高校生だもんね」


「そうなのよね~」




母と2人で歩く桜並木。


ふわり、ひらりと踊る花びらはとても優雅だ。コンクリートの隙間に咲くタンポポも凛としている。花壇に植えられたチューリップももう直に花開くだろう。




わくわくとした淡い気持ちとこれから始まる新しい生活にドキドキしながら、足取り軽く学校へ向かった。



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