空の色
『麻里、好きだよ。』
『私も。』
空き教室に居たのは
好きだった人と、可愛らしい女の子。
重なる影。きっと2人の距離は0センチ。
苦しかった。辛かった。
全てを忘れたかった。
私とは正反対な女の子。
ねぇ、あの時言った、
“お前の気持ちが分からない”
は、自分自身の事だったんじゃないの?
私への気持ちが薄れていく一方で、
膨らんでいったのはきっと、彼女への想い。
もう涙なんて出なかった。
逆に、ふられてもなお追い続けている自分に苦笑した。