空の色
「ここが俺の部屋。」
と言いながら通り過ぎる。
「あの、直人さん?」
「なに?」
「どこでやるわけ?」
私がそう聞くと、直人さんはニコッとして答える。
「実際にお見合いで使われる部屋。料理も用意したんだ。ほぼ和葉がやってくれたけどね。」
「か、和葉の手料理?!」
「あんた私の料理には目がないものね。大食い王者のために頑張ったのよ昨日。」
「来て良かった…」
「葵ちゃん本来の目的忘れてない?」
「これが葵よ。」
そんな2人の会話なんて私の耳には入らなかった。