空の色
「直人さんは?」
「さぁ?こんな部屋数あれば2人で仲良くどっかの部屋に居るだろ。」
まぁね…。
私たちはお邪魔しましたと言って、直人さんの家を出た。
「送ってく。」
お言葉に甘えて私は頷いた。
「傷付いた?」
そんな合田くんの言葉に私は首を傾げる。
「付き合ってるらしいよね。」
その言葉に少し胸が傷む。
「…ほんと、もう少し遠回しに言ってくれる?」
笑顔で言っているつもりだが、心なしか笑顔が引きつっている気がする。
「あの日さ」
空を見上げながら合田くんは話し始めた。
「どんよりした雲の中に、少し光がさしてたでしょ?」
あの日と言うと…
きっと傷が癒えたかを聞かれた時だろう。
「少し綺麗な青空が見えてた。」
私はまた首を傾げる。
「なにが言いたいのよ?」
少し前を歩いていた彼は、ピタッと歩みを止めて振り返った。