空の色
「俺がお前の光になりたい。」
通行人なんていなくて、車も通ってなくて。
その言葉は確かに私の耳に入っていた。
「……。」
「……。」
ただなにも言わずに、私はずっと彼の瞳を見つめていた。
「なんてね…。」
沈黙を破ったのは合田くんで。
「冗談。一度はそんな事言ってみたかった。」
そう言う合田くんの笑顔が切なげに見えたのは気のせいだろうか…?
それでも、私の頬がこの茜色の空のように赤くなっていたのは、紛れもない事実だった。