空の色
「やっぱり、葵じゃなきゃダメだと思った。」
私を見つめる瞳は真剣だった。
「選んでくれないか?葵の心に、俺はいるのか?」
少し震えたその声は、確かに私の耳に届いた。
「…いるよ…。心にいる。」
私もまた、彼のように声が震える。
「ずっと…追いかけてた。告白してきたのは潤で、最初は興味本位で付き合ってみた。追いかけてくれたよね、私のこと。」
そう言って微笑む。
「でもね…いつかは分からないけど。いつの日か気がつけば追いかけていたのは私だった。それでも気づいてほしくなくて、馬鹿みたいに意地張ってた。」
黙って聞いている潤から視線を外す。
「ねぇ、きっとあなたはこんな私を望んでないでしょう?」
そんな私の問いかけに、彼は目を見開いていた。