空の色
『今でもいるよ。潤がいる。』
聞いてしまった。
あの日と同じように、たまたま行った屋上。
見つめ合う2つの影。
結局俺は空回りだった。
結局俺は馬鹿みたいに追いかけていただけだった…。
悔しくて…。
辛くて…。
すぐにこの教室に逃げ込んだ。
そう。俺は逃げた。
なのに…
目の前に彼女が居て、わけのわからない事を言う。
“好きが溢れそうだもん。”
“私がどんよりした雲みたいに落ち込んでるときに、合田くんは私の光になってくれますか?”
ねぇ…。
俺の方が溢れそうだよ……。
そんな思いを込めて、俺は彼女を自分の腕の中にギュッとおさめた。
ずっと恋い焦がれてきた彼女を確かめるように……。