空の色
「お願い…します…」
やっと出た声は震えていた。
それでも想いを伝えたくて。
「好き…。」
出た言葉は、確かに彼の耳にも心にも届いたのだろう。
ゆっくりと離されて、私は彼の瞳を見つめた。
合田くんの瞳は綺麗で、まるで空のように澄んでいた。
その瞳に吸い込まれるように、私たちの距離が近付く。
「好きだ…」「好き…」
呟いた言葉が重なり、呟くものもそっと重なった…。
相変わらず空の色は澄んでいて、雲一つない大空は私の心のよう。
大空の中で、眩しいくらいの太陽がそっと輝いていた。
END