空の色
みんないつもポーカーフェイスだから分からないと言うけど、俺にははっきり分かる。
「俺、案外葵の心見えるかも。」
「は?」
「なんでも分かるって事だよ。」
そう言って頭を撫でる。
少し嬉しそうな葵に、思わず笑みがこぼれる。
「嬉しいって顔してる。」
そう言うと、すぐに不機嫌な表情になる。
「してない!」
「してる。」
俺には分かるんだ。
君の心の色が。
「あ、葵あっち見て。」
「え?」
向いた隙に葵の頬に口づける。
赤面する彼女に一言。
「はは。顔が夕焼け空だ。」
-君の色-END