空の色





「じゃ、俺は先に戻るよ。授業始まっちゃうし。」




立ち上がった彼の背中はとても凛々しいものだった。




「泣いたら、戻ってこいよ。」




ただ一言そう言うと、彼は屋上から出て行った。





「ふっ…。泣かないわよ。バカ…」





頬に感じる暖かい何かは、きっと想い。




頬を伝う私の想いは、溢れて流れ出て……





そっとコンクリートの地面に落ちていった。




そして行き場もなくし、それはそっと消えていった……。



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