空の色
「新山。」
校門をでて自宅へ帰ろうとした私の背中を呼んだのは、あの日以来話していない合田くん。
私は振り返って彼を見上げる。
「…傷は癒えたかい?」
「もう少し言葉を選んだら?微妙に単刀直入すぎるのよ。」
「遠回しに聞いた方が良かった?」
「…いえ。」
この方がいいのかもしれない。
「話しはそれだけ?答えが知りたければ空を見ることね。まるで鏡写しだから。」
そう言って立ち去ろうとする私の手首を、彼は優しく掴んだ。