私の好きな人は、ヒーローでした。
「うっ……あぁっ…………」

「…………」

「うぇぇー…………」

気持ち悪い…………
吐きたい…………
こんな形で……


身体を重ねるなんて……


「…………なにがあった?」

「こっ!!来ないで!!」

「え……」

「怖い…………っ」

「……っ
ちょっと待ってろ……」

そう言って私に傘をさしたまんまスマホで、誰かに連絡する竹内くん

「もしもし?あ、うん、今から、来てくんね。今――――……」

もう、そんな言葉さえ、頭に入ってこなかった。

< 16 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop