私の好きな人は、ヒーローでした。
「シャワー、ありがとうございました。」

そういう、大沼の目は、すごく腫れていた。


少し、袖からのぞく腕は、


すごく、赤くなっていた。


「……大沼。来て」

「ちょ、えっ?!」

ただ驚く大沼を無視して階段を上がる
ガチャッ
入ったのは、俺の部屋。

「な、なに。するの…?」

震えてる声。


「バカ。」


そして、小さい冷蔵路から冷たいタオルを出す。

「なんでそんなところに、ひゃぁぁ!」

そのタオルを、大沼の腕に巻いておく。

「…言ったろ?大沼は、汚れてないって。」


「……でもね。洗っても落ちないの……
アイツらの汗も、匂いも、こびりついて、落ちないの……っ」


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