私の好きな人は、ヒーローでした。
そんな感じに見えねぇのに。

「そんな感じに見えないでしょ?
結美那……迷惑かけないように、明るく、ふるまってるんだよ……」

「……と、とにかく、探すぞ。手伝え。」

「う、うん!!」

アイツにどんな過去があろうと、どうでもいい。
知ろうとも思わない。
だから、死んだりすんなよ……



side結美那
気持ちいい。
寒いのに……
冷たい水が、すごく冷たく感じた。
人が誰もいない海。
深く。
もっと、深くに行けば、
死ねる。
拓海のところに行ける。


「拓海……やっと会えるよ……」


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